「Causeway」は、自然の形態が、反復と幾何学というシステムによっていかに組み替えられうるかを探る彫刻シリーズである。古代の火山活動によって生まれた無数の玄武岩の柱が噛み合う、北アイルランドのジャイアンツ・コーズウェーから着想を得ている。

時間と圧力のもとで、自然は自らを秩序立て、あたかも人間が設計したかのようなパターンを形成する。それは意図されぬまま現れた「偶然の建築」である。

この作品では、そうした断片をあえてグリッド状に配置することで、有機的で予測不能なかたちと、人間が押しつける構造とのあいだに生じる緊張を可視化している。元来この構造をつくり出したのは自然であるにもかかわらず、私たちはそれを自らのものとして取り込み、ときに愛し、ときに矮小化し消費してしまう。その ambivalent なまなざしそのものを、作品として問おうとしているのである。